2021/11/04 17:06

こんにちは。

Coffee & Leather SCENTです。


前回からコーヒーチェリーの「精製」についてお話ししています。


今回は後半戦。

では早速、ちょっと特殊なパルプドナチュラルとスマトラ式という2種類の精製方法についてお話ししていきます。



3.パルプドナチュラル


名前に「ナチュラル」が入っているパルプドナチュラル。


しかし果肉のついたまま乾燥させるナチュラルと異なりこの精製方法ではまずコーヒーチェリーを水槽に入れ未熟なチェリーや異物を取り除きます。


そして乾燥前にパルパー(果肉除去機)にかけ果肉も取り除きます。


ここまではウォッシュドと同じですね。


ここからはウォッシュドとナチュラルどちらとも異なり、ミューシレージ(粘液質)がついたままのパーチメントの状態で乾燥させます。


それを脱穀するとコーヒー生豆が出来上がります。


水槽で選別しているのでナチュラルに比べ未熟豆の混入率が低く品質の良いコーヒーができます。


このパルプドナチュラルは2000年以降にブラジルで始められた比較的新しい精製方法です。


4.スマトラ式


ひとつだけその方式からではなくインドネシアの島の名前がついた精製方法。


名前からすでに特殊な感じがしますが、やはりその精製方法も少し変わっています。


インドネシアのスマトラ島やスラウェシ島で行われているスマトラ式は、コーヒーチェリーを収穫したらまずパルパーで果肉を取り除きます。


その後ミューシレージの残ったパーチメントをおよそ1日乾燥させます。


この時点ではまだ半乾きですが、なんとこの状態で脱穀してパーチメントを除去します。


そして再度乾燥させるのです。


これは雨の多いスマトラ島でできるだけ早く乾燥させるために生まれた精製方法で、これがスマトラ独特のアーシーな味わいを生み出していると言われています。


その独特なフレーバーが魅力的なスマトラ式ですが、半乾きの柔らかい生豆を脱穀機にかけるため豆の変形やダメージからカビが生えやすかったりと欠点豆が生じやすいというデメリットもあります。


スマトラ式で精製された生豆は濃い緑色が特徴で、見慣れてくると外観だけで判別できたりします。



思いを馳せるコーヒータイム

こうして収穫から精製までを追ってみると、普段は遠く感じられる産地や生産者という存在が少し身近になります。


海の向こうで今もコーヒーをつくっている人たちに思いを馳せながらの一杯も、楽しみ方のひとつとして素敵かもしれませんね。


今回も読んでくださりありがとうございました。