2021/10/21 20:34

前回は一杯のコーヒーができるまでのスタート地点、コーヒーノキについてお話しました。


実はこのコーヒーノキ、私たちが普段目にする果物と同じように品種があります。


現在も交配などにより品種改良が行われたくさんの品種があるのですが、その元を辿っていくと代表的な種は大きく分けるとアラビカ種とカネフォラ種の2種類。


ではこの2種にはそれぞれどんな特徴があるのでしょう?




強いぞ!カネフォラ種

カネフォラ種はおもにインドネシアなどで栽培され、世界全体のコーヒー収穫量の約30%を占めています。


このカネフォラ種の特徴はなんといっても「強い」ということ。


コーヒーは栽培しているとコーヒーノキが病気になったり虫に食べられて売り物にならなくなってしまったり、さらにはそれらが原因で木が枯れてしまうこともあります。


このカネフォラ種はそれらの病気や害虫に強いのです。


そしてアラビカ種に比べて低地での栽培もでき、さらには実をたくさんつけるので栽培しやすくたくさん収穫できるという大きなメリットがあります。


しかしうまい話ばかりではなく、、。


カネフォラ種はカフェインなどを多く含み、酸味や風味が乏しいため比較的「大味」なコーヒーになります。


栽培が楽でたくさん収穫できるけれど、それ単体で味わうことに向かないカネフォラ種は主に缶コーヒーやインスタントコーヒーに使われています。



繊細なのよ。アラビカ種

アラビカ種はエチオピアのアビシニア高原が原産といわれています。


エチオピアというと山羊飼いの少年カルディの伝説の舞台でしたね。


そう、つまり最初に栽培されたコーヒーはアラビカ種だったのです。


そんなアラビカ種は現在、世界全体のコーヒー収穫量の約70%を占めています。


しかし70%の全てが同じ品種というわけではなく、アラビカ種はさらに細かくゲシャやティピカ、ブルボンなどなどの品種に分けられます。


このアラビカ種はカネフォラ種と比べてさび病や炭そ病などの病気にかかりやすくデリケートです。


また高地での栽培に適しており、中には標高を品質基準としている国もあります。


比較的デリケートでコーヒーの木一本あたりの収穫量もカネフォラ種にくらべ少ないアラビカ種。


それでも世界全体の約70%を占めている理由は、その豊かな酸味と深い味わいにあります。


豆ごとの個性を楽しもうという現在のムーブメントにぴったりなのです。


個性豊かな風味が、焙煎度を変えることでさらに表情を変えるアラビカ種。


SCENTで扱う豆もすべてアラビカ種です。


栽培が難しいアラビカ種は現在も品種改良が盛んに行われています。


新種や突然変異種も発見されており、なんと2008年にはカメルーンでもともとカフェインを含まないシャリエコーヒーノキという新しい品種も発見されています。




コーヒーの味のもとイロイロ

現在主に飲まれているアラビカ種にも色々な品種があって、それぞれに違った味わいがあります。


そして上で述べた種ごとの個性に加え、果実から種を取り出す「精製工程」というものによっても味わいにキャラクターが生まれます。


次回はコーヒーについてもう少し深掘りし、精製についてお話ししようと思っております。


今回も読んで頂きありがとうございました。